みその歴史(奈良〜平安)

奈良の都には官許によって、みその前身ともいわれている未醤や醤を扱う商店が一軒ずつあったようです。尾張・隠岐・駿河・長門・但馬・伊豆・豊後の「正税帳」にも未醤・醤の記載があります(730年)。正税帳とは国司が毎年提出する帳簿のひとつで、今でいう収支決算書にあたるものです。

平安時代には高級官僚の給与としてみそが支給されていました。
贈答品としても重宝されたようで、みそが役人の家に届けられたと記している資料もあります。平安貴族の食卓にはのぼっても、みそは庶民にはなかなか手に入らない贅沢品でした。「味噌」という表記が最初に文献に現れるのは901年。ちなみに「噌」という漢字は、味噌以外には使われることはなく、みそのために作られました。

平安時代の上流階級の食事風景

平安時代の上流階級の食事風景