豊かな地方色–ご当地みそ–
全国にはおよそ千数種類ものみそがあるといわれています。原料・製法ともにシンプルですが、その出来上がりは千差万別。日本では地方ごとに多彩なご当地みそがあります。
[みその分類・産地]
●米みそ
国内生産の約8割を占める。各地でつくられ、
色・味などから様々な種類に分けられる。
●豆みそ
愛知・三重・岐阜の東海三県を中心に生産される、
大豆と食塩を主原料とするみそ。
●麦みそ
自家用としては全国に分布。主に九州、中四国、
関東北部などで生産されている。




- 北海道みそ
- 津軽みそ
- 秋田みそ
- 仙台みそ
- 会津みそ
- 江戸甘みそ
- 越後みそ
- 加賀みそ
- 信州みそ
- 東海豆みそ
- 関西白みそ
- 讃岐みそ
- 御膳みそ
- 府中みそ
- 瀬戸内麦みそ
- 九州麦みそ
- 薩摩みそ
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[北海道みそ]
辛口の米みそ。越後みそに近い赤色系。麹の割合がやや高く、塩分控えめ。くせがなく万人向け。石狩鍋に使いたいみそ。
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[津軽みそ]
赤色の辛口米みそ。麹の割合は低く、塩分は高めだが長期熟成で塩がこなれていて、醸し出されるまろやかな旨みが特徴。
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[秋田みそ]
赤色辛口。良質な米と大豆をふんだんに使った米みそ。比較的麹の割合が高く、赤褐色に近く、やわらかな甘みと旨みがある。
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[仙台みそ]
赤色辛口。伊達政宗が軍糧としてみそを製造・貯蔵させた「御塩噌蔵」伝統の製造を受け継ぐ、風味豊かな長期熟成の米みそ。
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[会津みそ]
300年以上の歴史を誇る。会津盆地の厳しい気候で育まれた長期熟成の赤色辛口の米みそだが、近年は中辛口も生産されている。
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[江戸甘みそ]
蒸した大豆を用いていて赤褐色。米麹をたっぷり使った濃厚な甘みと独特の光沢が特徴。みそ田楽やどじょう汁と相性が良い。
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[越後みそ]
赤色辛口。塩味の中にもすっきりと麹の甘みが香る。米麹の粒が白く残って見えることから「浮き麹みそ」という呼び方もある。
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[加賀みそ]
加賀前田藩の軍糧として生産が始まった赤色辛口みそ。塩分が比較的高め。長期熟成できりっとした辛みがあり、コクがある。
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[信州みそ]
全国生産量の約40%を占めるポピュラーな淡色辛口の米みそで、今では全国的に生産されている。さっぱりとした旨みが持ち味。
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[東海豆みそ]
名古屋みそ、八丁みそなどの名称でも知られ、濃厚な旨みがある。どて煮、みそ煮込みうどんなどになくてはならない。
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[関西白みそ]
麹の割合が高く、甘みが強い白色甘口の米みそ。薄塩で短期熟成のため長期保存には不向き。京料理を支える調味料のひとつ。
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[讃岐みそ]
濃厚な甘みとふっくらとした味わいの白甘みそ。サワラなどの魚の味噌漬けやあんもち雑煮など郷土の料理にも用いられる。
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[御膳みそ]
赤色甘口米みそ。塩分は辛口みそと同程度だが、麹の割合が高く、豊かな味わい。蜂須賀公の御膳に供されたのが名前の由来。
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[府中みそ]
江戸時代から美味が全国に知られた白色甘口の米みそ。きめ細やかで透き通るような白色で、風味豊かな白みそ。
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[瀬戸内麦みそ]
愛媛・山口・広島周辺の地域は米みそ圏と麦みそ圏が交差するところ。中でも愛媛の麦みそは麹の割合が高く、独特の芳香がある。
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[九州麦みそ]
九州では麦みそが主流。麹の割合の高い甘口が多いが、北部では辛口も。麦麹に米麹を混ぜた「合わせみそ」の生産も増えている。
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[薩摩みそ]
麦みその中でも熟成期間が短めで、淡色で甘口。麦麹の香りが高く、麹粒が残っているのが特徴。さつま汁には欠かせない。